こんにちは! 毎週水曜日を担当する水江 泰資(みずえ ひろよし)です。
本エッセイでは、少人数の打合せや会議運営で役立つファシリテーション・スキルを紹介しています。
前回まで、議題の進め方の第2段階「傾聴や問いかけを行う」を3回に分け、意見を引き出す方法、傾聴の実践テクニック、質問の実践テクニックを取り上げました。
今回は、第2段階の補足事項として「発言を独占されたときの対応」を説明します。
私たちは、議題への関心の高さや、経験の豊富さから、自分の意見や気持ちに固執してしまい、その結果、他のメンバーが話す機会を奪ってしまう場合があります。
代表的なのが「話が長い」です。「何が言いたいのかわからない」「他人の話をすぐに否定する」もよく聞きます。しかし、進行役が適切な介入の仕方を身に付けておけば、論点をずらさず、全員がしっかりと意思表示できます。
1.話が長い場合はルールを示す
発言者A「で、私は…、それで…(既定の発言時間を超過している)」
進行役「Aさん、発言は一人1分と初めに決めましたよね。一旦、話すのを止めてください」
事前にルールを決めて周知しておけば、このフレーズを効かせられます。
2. 不明瞭な場合は要旨をまとめる
発言者B「~で、それで…、いや、こうも言えます(主旨や内容がわからない)」
進行役「要するに、Bさんが言いたいのは○○ということですか?」
「~ですね」と決めつけず、「~ですか?」「~でよいですか?」と発言者に確認するのがコツです。
3. 即否定に対しては相手の意見を聴くよう促す
発言者C「以上が私の考えです」
発言者D「はぁ? Cさんの意見はどうかと思います。私は反対です…」
進行役「Dさん、そう言わずに、まずはCさんの意見の背景や意図を聴きませんか」
CさんとDさんの対立が感情的な場合もありますが、進行役は中立な立場に徹しましょう。
次回は議題の進め方の第3段階「意見をまとめる」を説明します。
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