オンラインによるファシリテーション(12)

水江 泰資(みずえ ひろよし)

こんにちは!毎週水曜日を担当する水江 泰資(みずえ ひろよし)です。
本エッセイでは、少人数の打合せや会議運営で役立つファシリテーション・スキルを紹介しています。
前回は、オンライン会議の開始直後に行う確認事項を説明しました。いきなり議題に入らず、5つの項目(会議の目的、議題をどこまで扱うのか、議題の進め方、役割、ルール)を参加者と一緒に確認したうえで臨みます。
今週から、議題の進め方について説明します。
なお、以前紹介しました通り、会議には大きく分けて4つの種類があります。伝達(例:方針を伝える)、収集(例:意見を集める)、調整(例:スケジュール確認)、解決(議論し結論を出す)の4つですが、今回は解決を取り上げます。
一例として「職場のコミュニケーションが悪い」という議題が挙がっているとしましょう。皆さんならどう進めますか。
議題の進め方には大きく4つの段階があります。今回は大まかに全体の流れを示し、来週から各段階について詳しく説明します。
1) 共有する
議題の主旨や背景などを説明します。参加者が「なるほど、議題として取り上げる理由がわかった」と提案者へ共感を示す、課題に真剣に臨む意識を持たせる段階です。
2) 傾聴や問いかけを行う
参加者から意見を求めます。手法としてブレインストーミング(相手を否定しない、質より量といった仕掛け)などを用いて、出来る限り多様性に富んだ意見を集めます。
3) 意見をまとめる
「もうこれ以上意見は出ない」という雰囲気を見計らい、似た意見同士でまとめグループにしたり、グループ間の関係性を明確にしたりします。KJ法などの手法が有名です。
4) 結論を出し、実践につなげる
議論を経て解決策が決まれば、それに対して「自分は何をすべきか理解し、心構えが出来ているか」という実践に向けての認識度合いを確認します。
次回は、議題の進め方の第1段階「共有する」について詳しく説明します。

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この記事を書いた人

研修講師、国際認定ファシリテーター

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