ワークショップをやってみよう(8)

水江 泰資(みずえ ひろよし)

こんにちは! 毎週水曜日を担当する水江 泰資(みずえ ひろよし)です。
本エッセイでは、少人数の打合せや会議運営で役立つファシリテーション・スキルを紹介しています。
ファシリテーションを応用し、「ワークショップ」を社会人教育で活用するために、その主流である「研修」と比較しながら特徴をつかんでいきましょう。
先月から、プログラムの各パートでの違いを挙げることとし、まず、冒頭の「ねらい」で、期待される「効果」の違いを説明しました。
前回からは、進行する「人」に焦点を当てています。研修は「講師」、ワークショップは「ファシリテーター」という名称で呼ばれます。前回はこのふたつの共通点を挙げました。今回は違う点として「教え方・進め方」を取り上げます。
端的に言えば、研修は知識や技能を学ぶので説明的、ワークショップは集団での合意形成意を行い、意思決定をもとに課題を達成するので委任的です。詳しく見ていきましょう。
研修講師は、テーマに関する内容を具体的に説明し、演習の指示をし、事細かに監督する。そして、受講生の疑問に答えるという、教示的・説明的です。伝え方も「職場のコミュニケーションはホウレンソウ(報告・連絡・相談)が基本です。必ず実践してください」「敬語をマスターしてこそ、一人前のビジネスパーソンです」と何を目指しているのかを明確にします。そして、「ここまでは理解できましたか。分からなければ質問をどうぞ」と受講生の知識が一定レベルになるよう引き上げる進め方をします。
ファシリテーターは、参加者同士の意見を引き出し、噛み合わせ、全員が納得して意思決定するように仕向けます。課題に対する正解を提示せず、進行を管理します。「あなたたちはこの演習をどう進めますか」「あなたたちらしいやり方で最大の効果が出る方法を考えてください」と委ねる言い方を意識します。
次回は、プログラムの中の「本編」の違いを説明します。

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この記事を書いた人

研修講師、国際認定ファシリテーター

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