ワークショップをやってみよう(21)

水江 泰資(みずえ ひろよし)

こんにちは! 毎週水曜日を担当する水江 泰資(みずえ ひろよし)です。
本エッセイでは、少人数の打合せや会議で役立つファシリテーションスキルを紹介します。ファシリテーションを応用し、ワークショップを社会人教育で活用してみましょう。
前回まで、ある製造業の「部門間同士の風通しを良くする」というテーマで、各部門から数名ずつ計30名が集められ、社員全員が取り組める実践的な方法を決めるためのアクティビティを重ねてきました。
そして、全員の投票で実行案を決め、セッションが終了しました。
この段階で参加者は、実行案が決まったり、新しい人間関係が出来たりと、達成感や満足感で気分が高揚しています。楽しいパーティ会場のごとく、話に花が咲いている状態です。このままワークショップを終え解散すると職場に戻って何も実践されない恐れがあります。いったん締め、決まったことを再確認し、実践に移すための活動が必要です。
本エッセイでは、ワークショップと研修を対比的に説明しています。研修の終わりには、学習内容のポイントをまとめたり、質疑応答で理解を深めたりします。それに対し、ワークショップでは、『クロージング(締め)』と呼ばれるアクティビティを行います。目的は「合意の確認」と「行動計画(アクションプラン)づくり」です。   
ファシリテーターのセリフで示します。
「実行案がふたつ決まりました。ひとつめは・・・ふたつめは・・・.どちらも皆さんひとりひとりのアイデアと工夫が反映されています。皆さんが率先して行い、全部門へ波及させてください。(意志を一致させる)」
「最後に、行動計画を作ります。グループごとで、誰が何を(役割と作業の分担)、いつまでにやるか(期限)を決めてください。決めたら、グループの代表者が私に報告してください。(当事者意識を持たせる)」
本シリーズは今号で終了です。皆さんもぜひワークショップを企画してみてください。

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この記事を書いた人

研修講師、国際認定ファシリテーター

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