ワークショップをやってみよう(11)

水江 泰資(みずえ ひろよし)

こんにちは! 毎週水曜日を担当する水江 泰資(みずえ ひろよし)です。
本エッセイでは、少人数の打合せや会議運営で役立つファシリテーション・スキルを紹介しています。
ファシリテーションを応用し、ワークショップを社会人教育で活用するために、その主流である研修と比較しながらポイントをつかんでいきましょう。
今月からは、プログラム本編の違いの解説を始め、前回は、研修の「単元」とワークショップの「セッション」について言葉の定義を行いました。今回は、セッションの中身の作り方を説明します。
セッションはワークショップの主体となるものです。やった!出来た!という課題の達成感、参加してよかったというチーム活動から得る一体感、このふたつを満足させることが不可欠です。そのためには「アクティビティ」と呼ばれるさまざまな活動を組み合わせます。アクティビティとは、セッションの中で参加者が行うすべての活動を指します。
事例として、よく使われる手法をファシリテーターのセリフで紹介します。
ある製造業で『部門間の風通しをよくする』というテーマで、各部門から数名ずつ集められたとします。同じ部門を避け班分けされ、セッションが始まるところです。
「はじめに自己紹介しましょう。所属、役職、名前、担当業務、趣味を一人3分でお願いします。」(アクティビティ1:参加者情報の共有)
「続いて、他部門に対する印象、問題だな、こうしてくれたらいいのにと思っていることを話してください。」(同2:問題提起。認識の違いを顕在化する)
「今度は逆に、自部門が他部門に貢献できる、役に立てそうだと思うことを話してください。」(同3:新しい関係性づくり)
「どんな結果になったかグループごとに発表してください。」(同4:全体共有)
 この例では1と3が人間関係の構築、2と4が課題達成を目的としたアクティビティを組み合わせています。
次回は「進め方のポイント」を説明します。

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!

この記事を書いた人

研修講師、国際認定ファシリテーター

→プロフィールはこちら

目次