ワークショップをやってみよう(1)

水江 泰資(みずえ ひろよし)

こんにちは! 毎週水曜日を担当する水江 泰資(みずえ ひろよし)です。
本エッセイでは、少人数の打合せや会議運営で役立つファシリテーション・スキルを紹介しています。
今回から「ワークショップをやってみよう」と題した新シリーズを連載します。
皆さんは「ワークショップ」という言葉を聞かれたことはありますか。元々は、「作業場」「工房」を意味し、ものづくりの世界で使われてきた言葉です。
画一的で大量生産を行う「工場」に対して、職人がコツコツと手作りで創意・工夫を重ねながら製品(作品)をつくる、そのような概念を人づくりや組織づくりに当てはめたものが、これからご紹介していく「ワークショップ」です。「主体的に参加した多様なメンバーが、協働体験を通じて創造と学習を生み出す場」を指します。
別の表現で示します。ある課題やテーマに関心を抱き、主体的に集まったメンバーがいます。課題は自分一人だけでは達成しえないため、彼らは話し合ったり、共同で作業したりします。そうして、困難を乗り越え、喜びを分かち合い、あるいは想定外の出来事を享受する過程を経てゴールを目指します。活動の最後には一連の過程をふりかえり、自分たちの成長を確認します。
 ワークショップの歴史については今後改めて説明しますが、日本には1980年代にアメリカから導入されました。当初は自己啓発やエコロジーの分野が多かったようです。その後、芸術分野(演劇、映画、ダンスなど)にも浸透し、現在では学校や社会人教育にも活用されるようになりました。
社会人教育と言えば、「研修」を思い浮かべられる方も多いでしょう。研修は、業務に必要な知識を学んだり、遂行能力を高めたりするために必要な教育活動です。ある程度の人数が在籍している組織には研修体系があり、階層別やテーマ別、職種別で個人や組織の成長、職場の活性化に寄与しています。
次回は、研修とワークショップの違いについて説明します。

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この記事を書いた人

研修講師、国際認定ファシリテーター

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