みなさん、こんにちは!スピーチコーチの大嶋友秀です。
営業の商談をテーマにした18回目です。今回は、価格交渉で、理由付けの大切さについて考えます。
私がマスコミ業界にいたとき、仕事を取るための競争は激しかったです。見積を出して、そこからの大幅値下げは当たり前でした。仕事になるなら、採算を度外視して価格を下げる会社もありました。以下はその例です。
事例1(N Gの場合)
顧客「高いねえ。料金はどこまで下げてくれるの?」
営業「はい、できるだけ頑張ります」
顧客「じゃ、いくらになりますか?」
しかし、私は値下げの競争はしませんでした。顧客が「安さ」を求めてきても、それに簡単に応じなかったのです。その例が以下です。
事例2(O Kの場合)
顧客「高いねえ。料金はどこまで下げてくれるの?」
営業「いやあ、無理です。下げられませんよ。弊社は他社よりも2倍以上は高いです。しかしそこには明確な理由があります」
顧客「ほう、理由がねえ、どういうことですか?」
営業で重要なのは、いかに相手に対して有利に進めるかです。価格を安くするだけなら、顧客が主導権を握ります。しかし「理由があります」と展開すれば、その交渉の手綱は営業が握ります。
もちろん、相手に「なるほど!」と思わせなければ交渉は失敗です。それは、人に何かをお願いする場合でも同じです。次の日常的なシーンでの事例をみてみましょう。
事例3(N Gの場合)
上司「この書類を急いで作ってくれませんか?」
部下「・・・ええ!?(またですか!)」
事例4(O Kの場合)
上司「この書類を急いで作ってくれませんか?お客さんから今日中って言われているので!」
部下「わかりました!」
どうでしょうか。部下の態度が全く変わりました。何事も理由があれば、誰でも理解してくれるでしょう。どんな仕事もやる気だけでは続けられませんが、理由があるとがんばれます。
では、またお会いしましょう。
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