「営業でつかんだコミュニケーションのツボやコツ!」(14)

 みなさん、こんにちは!スピーチコーチの大嶋友秀です。
 営業の商談をテーマにした8回目です。今回も引き続き「描写力」を考えます。今回は、ストーリーテリングという手法を学びましょう。
 ストーリーテリングとは、自分や他人の経験から、伝えたいイメージやメッセージを連想させる物語を見つけ出して語ることで、相手に印象付ける方法です。
 私が建築材料メーカーの営業時代、顧客からある大型倉庫の工事管理を実施できるか尋ねられたことがありました。私は、それが可能だと説明するために商談にのぞみました。
 私は、資料の中の管理体制のチャートを示して説明しました。
 「事故が生じた場合、現場担当者は、すみやかに会社に連絡をして、技術部と連携して調査を行います。全社的な体制なので安心してもらえます」
 顧客は難しそうな顔をしていました。そこでこんな話を加えました。
 「昨年のことですが、ある現場で床材の亀裂問題が発生しました。そこでただちに技術開発のスタッフが現場に駆けつけ、調査を行い、手直し計画を立案しました。予想外の人手が必要になったため、営業部からも動員して行いました。私も作業員として参加しました」
 私はこの物語を通じて「全社的に迅速に対応できる」と強く印象づけ、顧客に安心してもらおうと考えました。すると、相手が笑顔になって、その仕事の受注が決定しました。
 物語は臨場感を相手に伝え、ビジネスの様々な局面で仕事がやりやすくなります。物語といっても大袈裟に考えず、日常生活の出来事や、日頃の活動に注意を向けるとヒントがあります。
 あなたにとって印象深かった出来事はありませんか。最初に何が起こり、あなたは何をして、どのように展開して、どう終わりましたか。この問いに答えていけば、一つの物語になります。それを見つけたら、どんなメッセージを伝えられるか考えてみると良いでしょう。では、またお会いしましょう。

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この記事を書いた人

研修講師、ファシリテーター、ビジネス作家

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