「営業でつかんだコミュニケーションのツボやコツ!」(13)

 みなさん、こんにちは!スピーチコーチの大嶋友秀です。
 営業の商談をテーマとした7回目です。前回から「描写力」を取り上げています。そこで、今回は効果的に「例え」を使うコツを紹介します。
 私が建築業界にいた時、マンションの理事会で建物の劣化診断を報告する機会を多く持っていました。理事の人たちは、ほとんどが建物の専門家ではないため、報告を理解してもらうためには工夫が必要でした。そこで効果的だったのが、まず説明をした後、「例え」を付け加えることでした。
 ある理事会での話です。
 わたし「外壁の塗り替え方法は、只今、配布した資料で、工程を含めて説明しています」
 理事A「ちょっと待って、なんでこんなに何回も塗るのですか?
  日曜大工のペンキだと、さっと塗るだけじゃないですか?」 
 わたし「建築材料は何種類もの塗料を塗り重ねます。そのように施工することで綺麗な仕上げにできるのです」
 その時、理事の皆さんは建築材料のことが理解できていない様子でした。私は理事のメンバーの過半数が女性だったので、どういう話なら分かってもらえるかを考えました。そこで、私は女性にイメージしやすい例えを思いつきました。
 わたし「ちょっと想像してください。建築材料はみなさんがお使いのネイルのようなものです。下塗り、カラー、トップコートの順番で何回も塗ります。これを一回で、仕上げようとすると綺麗にならないですね。建築の材料も手間がかかるのです」
 その時「そう言うことなのね!」と声が上がり、みんな理解してくれました。
 この経験から、私は難しい技術的な話をする時、必ず「説明+例え」と意識することで、自信を持って発表ができるようになりました。
 例えを使うために、日頃の観察がものをいいます。「いい表現」をチェックして、語彙を増やしましょう。たとえば、暑い日に「まるで砂漠だ」なんて言っているかもしれません。あなたも例えを意識しないで使っていることもあるはずです。
 では、またお会いしましょう。

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この記事を書いた人

研修講師、ファシリテーター、ビジネス作家

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