こんにちは!第2・4月曜日を担当するコミュニケーション講師の松原です。
コミュニケーションは相手ありき。そのために接遇のスキルを活かします。徳川夢声氏「話術」の「座談十五戒」から、このコツを学びます。
○第6戒 毒舌屋たるなかれ(P77~79)
愛あるイジリ、という言葉を聞きます。徳川夢声氏はこのように説明します。「好きな人には、仲よしの犬が噛み合いをするように、悪口を言いたくなるものです。また、言われて敵ながら天晴れと、好い気もちになるものです」
「好意のある悪口」は会話のスパイスになり得ますが、使い方を誤れば信頼関係を損ねます。夢声氏は「相手の急所は避けなければなりません」と注意しています。それは、相手の気にしている点の指摘です。私は丸顔で、幼いころ叔父や叔母に「しもぶくれ」と連呼され、とても傷つきました。大人は丸顔でかわいいね、という気持ちだったでしょうが、私自身はそう受け取れませんでした。
更に夢声氏は「その人が本業としていることを、批評する場合は、よほど警戒すべきです」としています。
こんな友人の愚痴を聞きました。会計担当の中堅社員なのですが、入力間違いをして、チームに迷惑をかけたそうです。その問題は解決しましたが、それ以後、何かトラブルがあるたびに同僚たちに「またやっちゃったんじゃな~い?」と、いわれるのです。
軽いノリなので最初は笑っていたのですが、中堅としてのプライドもあり、今では良い気持ちにはなれない、とこぼしていました。
このように、好意からであっても、気にしていることや本業を取り上げては、スパイスにはならないのです。
夢声氏は「毒舌家という人物」は「言葉に毒を含み、周囲をクサらせる名人」としています。「私、毒舌家なのよね」と自分を表する人は身近にいますか?その人が信頼関係を周囲と築いているならば、会話のスパイス使いの達人です。機会があれば、ちょっと観察してみてくださいね。
次回の「コボシ屋たるなかれ」で、愚痴のこぼし加減を考えます。
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