「接遇のチカラ」(40) きちんと話しているはずなのに~思っていても伝わらない

松原里美(まつばらさとみ)

こんにちは!第2・4月曜日を担当するコミュニケーション講師の松原です。
過去のメルマガで「メラビアンの法則」をご紹介しました。人が第一印象を決めるのは何が影響しているか、を示したものです。
この法則で調べたのは、話す内容と顔の表情や声のトーンが矛盾していた時、どの情報をもっとも参考にするかです。例えば「口では好意的なのに、嫌悪の表情をしている」などです。そこから導き出された数字が、外見(視覚)55%、話し方(聴覚)38%、話の内容(言葉)7%です。
先日、それが本当によく表れているな、という例がありました。
ある携帯電話ショップで接遇チェックを依頼されました。そこでベテラン社員のAさんから自分の接客について相談されました。Aさんは、契約内容だけではなく様々な機器にも精通しています。
しかし、お客様アンケートの評価は高かったり低かったり、まちまちです。このばらつきは何故だろう?と疑問を抱えていたのです。
Aさんの接客で、私が気づいたのは「語気の荒さ」でした。
話している言葉を書いてみると、とても丁寧です。
「このアプリのデータ移行ですね。本来はお客様ご自身で行っていただくものなのですが、私どもが代行するサービスがあります。お手数料2500円ですが、いかがなさいますか?」
ですが、口調はこんな感じです。
「このアプリのデータ移行ですね!! 本来はぁ!お客様ご自身で行っていただくもの!なのですがぁ、私どもが代行する!サービスがあります!お手数料2500円ですが、いかがなさいますか!!」
本人は大事な点を強調したつもりですが、お客様によっては「強く言われて怖い」「ごり押しされているようだ」と感じていました。
内容ではなく、話し方で判断されていたのです。
ときには「私ってどんな話し方をしているのかな?」と、周囲の人に聞いてみてください。「良かれと思って」していたのに裏目に出ることがないように。良い点を更に伸ばすように。
自分の接遇スキルのアップデートのチャンスにしてくださいね。

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この記事を書いた人

研修講師、地域密着ワークショップファシリテーター
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