「接遇のチカラ」 (17) 「自己有能感」を心に留めて~思っていても伝わらない

松原里美(まつばらさとみ)

 こんにちは!第2・4月曜日を担当するコミュニケーション講師の松原です。
 日常だけではなく、仕事でも円滑なコミュニケーションをとるためには、相手の自尊心を大切にする心遣いが大切です。
 自尊心は大きく3つに分けられます。「好感」「自己重要感」「自己有能感」の3つです。
 これらを一つずつ考えていますが、今回は「自己有能感」です。

「自己有能感」とは「自分はできる」「私は選択し決められる」と感じることです。その自信から、より前向きになれます。
 私がそれを実感した小さい出来事があります。先日、ちょっと高級な化粧品のお店にファンデーションを買いに行きました。店員さんが、私のお目当ての商品だけではなく、肌に対するリクエストから「こちらもお好みに合うと思います」と、違うタイプのファンデーションもいくつか並べてくれました。これが私にとって嬉しい時間となりました。「ちょっと高級なお店」を選んだわくわく感と、それを裏切らない丁寧な接客と選ぶ楽しさを得られたからです。
 もし、店員さんが、私が「欲しい」とお願いした商品を出すだけだったら、この満足感はなかったでしょう。また、「いえ、あなたに合うのはこちらです」と違うものを出されるだけだったら、がっかりしたと思います。
 自分で「選択する」「決定を肯定される」が満たされた体験でした。

[ワンポイント…相手の意思を尊重する。選択肢を複数にする]
 「どっちのほうがいいかな?」と相談し決めるというシーンは、ビジネスの場だけなく先ほどの例のように日常でもよくあります。そ
んな時には「あなたはどう思う?」「A案だけじゃなくてB案もあるよ」など、相手の意思を尊重し「自己有能感」を踏まえられるよ
うにしましょう。
 「好きに決めれば」など突き放したり、「これがいい」と一方的に決めつけたりしては、不快感を持たれ、信頼関係も築けません。
 コミュニケーションは相手を尊重することで円滑になります。

「自己有能感」に気を留めつつ、心地よい場をあなたが作りましょう。

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この記事を書いた人

研修講師、地域密着ワークショップファシリテーター
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