(12) 他人の「快」は自分とは違う~思っていても伝わらない

松原里美(まつばらさとみ)

 こんにちは!第2・4月曜日を担当するコミュニケーション講師の松原です。

 前回はクレームを例にあげ、自分に落ち度がなくても相手を不快にすることがある、という事実をお伝えしました。これは自分の想定よりも「客側に、個人的な好みや過剰な期待、誤解がある」場合に起こります。つまり、双方の気持ちがうまくキャッチボールできていない状態です。
では、このような残念な行き違いを避けるためには、どんなポイントに気をつけていけばよいのでしょうか。人の心の動きから考えていきます。

 人は見たこと・聞いたことを、自分の知識・経験・気持ちなどのスクリーンを通して解釈します。ですから、同じ光景を見ても、受け止め方はそれぞれです。
例えば、高齢の男性が一人で外食をしている光景を見た時に「どう感じるか」です。たいていは「特に感じない」という方が多いですが、「おや?」と視線を向ける人もいます。その印象は大きくふたつに分かれます。「かわいそう」というような悲観的なものと、「いいなあ」と楽観的なものの正反対なふたつです。悲観的な捉え方では「だれも食事の準備してくれない、かわいそうな人」とみますが、楽観的に捉えると「好きな時間に好きなものを食べる自由な人」とみます。自分の心のスクリーンを通すからこそ分かれるのです。

「心のスクリーン」は一人ひとり違います。ですから、快・不快のポイントもそれぞれです。その点を踏まえつつ、次回からは「快(こころよ)く受け止めてもらうためのポイント」として「自尊心」の解説をいたします。

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この記事を書いた人

研修講師、地域密着ワークショップファシリテーター
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