プロ意識を持って話す

雙志館館長 大嶋利佳(おおしまりか)

プレゼンテーションや講義講演の指導をする際、私は厳しく戒めていることがあります。それは否定的、後ろ向きな発言をしないことです。
「話下手なのでうまく説明できないと思いますが・・・」
「準備の時間がなかったので不十分かとは思いますが・・・」
このようなことを言う人が、少なからずいます。指導中、受講者がそういう発言をしたらその場で話をやめさせ、「余計なことは言わず、本題にはいるように」と注意してやり直しとします。
なぜならこうした発言は聞き手にとっては何の意味もなく、また話し手にとっては自分の価値を下げるものだからです。さらに聞き手に「あーあ、つまらない話が始まるんだなあ」という落胆を与えます。そんな発言をそのままにしておいて、プレゼンや講義が成功するはずはありません。
中にはこうした発言を、謙虚さや正直さの表れだと解釈する人もいます。しかし、別の例で考えてみてください。レストランで、「下手で時間もなかったので美味しいかどうか分からないのですが・・・」と言いながらテーブルに料理の皿を置かれたとしたら「謙虚で正直なシェフだ」と好感を持つでしょうか。プロとして仕事をしているのであれば、そんな発言はありえないはずです。
ビジネスの場で余計なことは言わない。口にするのは相手にとって意味があり、効果がある言葉だけ、という高い意識をもって人前での話に臨んでほしいと、私は考えています。

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この記事を書いた人

講師道錬成道場 雙志館 館長

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