こんにちは!第1、3月曜日を担当いたしますキャリアコンサルタントの柴田登子です。
前回からお届けしております「セカンドキャリア世代のリスキリング」、3回目は「資格取得はリスキリングになるのか」です。
厚生労働省が追求する「今の職業で必要とされるスキルの大幅な変化に適応して価値を創造し続ける」のに、資格や免許の取得が役立つことは多く、新しい仕事に就く場合でも強みになります。
しかし、資格なら何でもよいわけではありません。今の仕事や新しいことへの挑戦に必要な資格を見極めましょう。
最近、キャリア面談でリスキリングが話題になると「税理士になる」「社会保険労務士を目指す」など難関資格を目標にするという声をよく聞きます。ビジネス系の雑誌やウェブサイトの「リスキリングにおススメの資格!」という記事でもよく見かけます。
確かに経理や労務を担当している人には、資格取得の学習が関連法の情報アップデートなどにつながり、自身の価値の創造に直結するでしょう。
しかし、それ以外の多くの人が「定年後に独立開業できそうだから」という安易な理由で受験を考えてしまうことに危機感を覚えます。いずれも年1回、合格率は1割以下の試験で、合格には3千~5千時間に及ぶ学習が必要です。そのために仕事をセーブするのなら本末転倒ですし、受かったところで実務経験がなければそう簡単に独立などできません。未経験であれば雇用されるのも難しいのが現実です。税理士や社会保険労務士に限らず、難しい資格さえ取っておけば老後は安泰ではないのです。
リスキリングを意識し資格を取るなら、まずは今の業務を振り返りましょう。そこからこの資格があればできることが増える、評価が上がるというものを探します。実際、業務に役立つ資格をコツコツ取得していく方は、シニアになっても転職でき、定年後に経験を活かした仕事を末永く続け、ずっと現役でいられるのです。
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