現代に活かす武道歌(6)

雙志館館長 大嶋利佳(おおしまりか)

 毎週第1,3金曜日は、歴史上有名な武士や武芸者が詠んだ短歌「武道歌」を紹介しています。古くから伝わる言葉の中には、少し視点を変えて読めば、現代に生きる私たちにも役立つものがあります。
 今回は、前回に続き塚原卜伝(1490~1571)の歌から、飲食にまつわるものを取り上げます。
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武士の酒を過ごすぞふかくなる 無下に飲まぬもまた愚かなれ
酒を飲み過ぎるのはよくないが、一概に飲まないというのも愚かだ
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 飲み過ぎは「不覚」、つまり意識のなさ、不注意で避けるべきことです。しかし、だからと言って「飲まないぞ」と決めつけるのも望ましくありません。この歌は、ほどほどのところで切り上げられる心の強さ、自己コントロール力の大切さを教えてくれます。飲酒に限らずいろいろな場面で心がけたいものです。

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この記事を書いた人

講師道錬成道場 雙志館 館長

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