現代に活かす武道歌(5)

 毎週第1,3金曜日は、歴史上有名な武士や武芸者が詠んだ短歌「武道歌」を紹介しています。古くから伝わる言葉の中には、少し視点を変えて読めば、現代に生きる私たちにも役立つものがあります。
 今月も塚原卜伝(1490~1571)の歌から、飲食にまつわるものを取り上げます。
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武士の心たゆめば自ら(おのずから)膚(はだえ)は肥て身は重くなる
心がたるむと、自然と太って身体が重くなるものだ
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 「たるんでいると太る」というシンプルな歌です。この歌では「武士の心」とありますが、現代の私たちはこの部分を自分なりに置き換えてみましょう。「プロの職業人としての心」と言えそうですし、スポーツを愛好する人なら「アスリートの心」、試験を控えている人なら「受験生としての心」とも言えます。
 「自分はこの立場、この分野で努力をするぞ」という強い覚悟をもっていれば、肥えて身が重くなることはないでしょう。

参考『武道歌撰集』(今村嘉雄 1989年)

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この記事を書いた人

講師道錬成道場 雙志館 館長

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