現代に活かす武道歌(1)

【館長】大嶋利佳

 本年から、現代のビジネスパーソンに役立つ武道歌を紹介してまいります。
 武道歌とは、短歌の形式で戦うための心得を伝えるもので、歴史上有名な武芸者や武士がさまざまな言葉を残しています。その中には、少し視点を変えてみれば、現代の私たちにも役立つ教えとなるものがあります。
 今回は、戦国時代の剣豪である塚原卜伝(1490~1571)の歌を取り上げます。
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武士(もののふ)のいつも身に添へ持つべきは 刃つくるための砥石なるべし
(武士が常に持っておくべきものは、刀を研ぐための砥石である)
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 私たちにとっての砥石とは、自分の能力を磨くための道具ということになりそうです。たまに電車の中などで資格試験や語学のテキストを読んでいる人を見かけますが、そういう人にとってはテキストが砥石だと言えるでしょう。
 また、多くの人が常に持ち歩いているものにスマホがあります。これは連絡や暇つぶしの道具として扱うか「自分にとっての砥石だ」と思うかによって、使い方も変わってくるに違いありません。
 自分を磨くものを常に手元に置いておく。それがどんな場面にもベストの状態で臨むための心構えだと言えるでしょう。

参考『武道歌撰集』(今村嘉雄 1989年)

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この記事を書いた人

講師道錬成道場 雙志館 館長

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