宮本武蔵は、『五輪書』の始めの章「地の巻」で、まず兵法とは何かを説明しています。その中で、武士は「文と武、ふたつの道を行うことが正しい道である」と述べています。剣術だけでなく、学問や芸術、文化、また政治面においても優れるように努めるのが、武士の在り方なのです。
現代では「文武両道」と言い、勉強とスポーツの両立などを指して使われることが多い言葉ですが、学生時代に限らず、生涯を貫く生き方の指針となるものだと言えます。どちらか一方だけを選び、他を捨てたりあきらめたりするのではなく両方に取り組むことで、より充実した生き方となるでしょう。武蔵は「たとえ、この道に不器用であろうとも努めるべきである」と述べています。
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