オンラインによるファシリテーション(7)

水江 泰資(みずえ ひろよし)

こんにちは!毎週水曜日を担当する水江 泰資(みずえ ひろよし)です。
本エッセイでは、少人数の打合せや会議運営で役立つファシリテーション・スキルを紹介しています。
前回は、オンライン会議では事前配信用と当日投影用のふたつの資料があること、そして、それらの目的や用途の違いを述べました。
今回は事前配信用資料の3つのポイントを説明します。
1. タイトル:読み手(会議参加者)の関心を引き出そう
資料の表題は、「これは必ず参加しなくては!」と当事者意識を喚起するものが良いでしょう。人は問いかけに対して考える習性がありますので、それを利用して疑問形で表すのがコツです。例えば「職場のコミュニケーション」「各支店の業務報告」では漠然としていて読み手の興味や関心が湧きません。「職場の挨拶を習慣づけるにはどう
すればいいか?」「各支店が最優先で取り組む課題は何だろうか?」のように表しましょう。
2. 全体構成:読みやすさ、説得力を増してみよう
会議の背景や必要性を伝え、読み手を「なるほど、そうか」と納得させたい場合に活用したいのが文章構成法です。構成とはある枠組みを用いて思考の整理や理解の流れを支援するもので、フレームワークと呼びます。代表的なものとしてSDS法があります。Summary(要点)→Details(詳細)→Summary(要点)の順に話を展開していくフレ
ームワークです。
3. 本文記述:相手にしてほしいことを明確に書こう
「要するに私にこの行動をほしいのだな」としっかりと受け止めてもらえるよう、会議運営者が参加者に求めること、期待することをはっきり書きましょう。良くないのは、相手に判断を委ねてしまう表現です。例えば、「予め資料を読んで検討しておいていただければ幸いです」では、読み手は必ずしも実行しなくてもいいと受け取る恐れがあります。「検討しておいてください」と明確に記載しましょう。
次回は、オンライン会議の事前案内における注意点を説明します。

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この記事を書いた人

研修講師、国際認定ファシリテーター

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