オンラインによるファシリテーション(15)

水江 泰資(みずえ ひろよし)

こんにちは!毎週水曜日を担当する水江 泰資(みずえ ひろよし)です。
本エッセイでは、少人数の打合せや会議運営で役立つファシリテーション・スキルを紹介しています。
前回まで、議題の進め方の4段階のうち、第2段階「傾聴や問いかけを行う」を3回にわたって説明することとし、1回目の前号では、まずは意見を出してもらう仕方について述べました。
2回目の今号は「傾聴の実践テクニック」を説明します。
傾聴とは、人の話をよく「聴く」ことです。周りの音や声が耳に入って来るのを感じる「聞く」とは違い、耳を傾け、心を用いて相手の言葉を受けとめます。オンラインでのポイントを示します。
1.聴くふりをするな
人は、聴いているようで、そうでない場合がふたつあります。
 ひとつは、発言とは無関係なこと、例えば「今日のお昼、何食べよう」などと考えているケースです。もうひとつは、次に何を言おうかと心の中で準備しているケースです。そういう時、自分がしゃべるタイミングをつかむのに一生懸命になっています。「早く話し終わればいいのに」と思いながらでは、相手の話を心で受け止めているとは言えません。
聴くふりをして大事なポイントを逃さないようにしましょう。
2.頷きや相槌は対面よりも大きく行う
参加者はパソコンなどの画面上に仕切られた枠の中に、顔や上半身が映っているだけですので、お互いの存在は画面をしっかり見なければ気づきません。対面ではほんの少しの頷きでも伝わった「ちゃんと聴いています」という反応がわかりません。
3.しっかりカメラを見る
自分を映すカメラと、画面や手元にある資料の位置がずれているため、発言者からは「どこを見ているのだろう?」「他の仕事をやっているのかも?」と疑われる場合があります。資料を見ながらも「よそ見せずに聴いています」というサインを送りましょう。
次回は3回シリーズの3回目「質問の実践テクニック」を説明します。

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この記事を書いた人

研修講師、国際認定ファシリテーター

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