こんにちは!毎週水曜日を担当する水江 泰資(みずえ ひろよし)です。
本エッセイでは、少人数の打合せや会議運営で役立つファシリテーション・スキルを紹介しています。
前回から、議題の進め方の4つの段階「1)共有する 2)傾聴や問いかけを行う 3)意見をまとめる 4)結論を出し実践につなげる」をひとつずつ説明することとし、前回は第1段階「共有する」を説明しました。
今回からは、第2段階「傾聴や問いかけを行う」を3回にわたって説明します。1回目の今号では、傾聴や問いかけをする前提となる意見を出してもらう仕方について述べます。
議題提案者から提案理由や背景の説明(共有)が終わったら、司会進行者はここから場面が変わり、参加者が主体となることを宣言し
ます。次のように言います。
「では、議題について皆さんから意見や質問をいただきます。議論を深めていきましょう」
この際、議題の難易度や関心度の違いで、すぐに発言できる人、そうでない人がいます。ですので、参加者が自分の考えや思いを無理なく自由に伝えられる工夫のひとつとして、次のようなルールを設けておき、案内します。
「一人一言はお願いします。なお、長くてもひとり一分以内でお願いします」
「単に賛成や反対と言わず、どこにそうなのか、特に反対の場合は代案も示してください」
また、ひとり一人がきちんと会議に参加している雰囲気づくりのためには次も有効です。
「前の方と同じ主旨であっても“○○さんと同じ”ではなく、ご自身の言葉で話してください」
「 “発言した人”と“話の内容”は切り分けてください。 “○○さんが言うから賛成(反対)”ではなく、内容をしっかり検討し判断してください」
このようなルールを定めておけば、参加者同士の公平性が保たれ、特に今まで自分に素直に意思表示しにくかった人たちも安心して会
議に参加できます。
次回は3回シリーズの2回目「傾聴の実践テクニック」について説明します。
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