ファシリテーションで多様性を活かす(25)~オンライン会議に良い影響を与える方法1回目「こまめな状況確認」

水江 泰資(みずえ ひろよし)

 こんにちは!毎週水曜日を担当します水江 泰資(みずえ ひろよし)です。
 本エッセイでは、少人数の打合せや会議運営で役立つファシリテーション・スキルを紹介しています。
 先月からオンライン環境での会議を取り上げ、前回までは在宅勤務・テレワークで生じている心理的な問題や原因について解説しました。
 会議の急激なオンライン化により、違和感(4つの無さ:気配、余韻、動き、乗り)が生じ、メンバー間でお互いに対する不信感や不安感などが生じています。これらを放置すればメンタルヘルス不全を引き起こす可能性もあります。
 そこで今回のテーマは『オンライン会議に良い影響を与える方法』とし、このような事態にならないためにはどうすれば良いかを考えていきましょう。2回に分けて紹介します。
 ひとつめは『こまめな状況確認』です。
 オンライン会議では、メンバーが積極的に参加しているかどうかを対面の時よりも頻繁に確認することが必要です。
 発言者は相手の反応を捉えにくいため、「自分の意見や考えをわかってもらえていない」という焦りや不安が生じ、さらに話し続けるという“終わり無き独演会”に陥る傾向があります。
 この状況が続くと、発言者はもちろん周囲のメンバーも、置いてきぼりになっているメンバーの存在に気づいていない可能性があります。
 ですから、一部の発言や会話が長引いている場合、進行役や気が付いた人は、「ちょっといいですか」「すみません」と割り込み、打ち切りましょう。そして、動きの目立たないメンバーが議論についていけているかどうか確認しましょう。
 その点では、話を聞いているメンバーの側も「あなたの話をちゃんと聞いていますよ」という意思を伝えるための「頷く」や「相槌を打つ」といった反応を対面の時よりも大げさに行うのが良いです。これらの仕草の練習を行っている組織もあります。
 次回は『オンライン会議に良い影響を与える方法』のふたつめとして、「雑談の活用」を紹介します。

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この記事を書いた人

研修講師、国際認定ファシリテーター

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