ファシリテーションで多様性を活かす(18)

水江 泰資(みずえ ひろよし)

 こんにちは!毎週水曜日を担当いたします水江 泰資(みずえひろよし)です。
前回まで、ファシリテーションの5つの重要ポイントとして、「会議の目的」「目標」「プログラム」「参加者」「グランドルール」を解説してきました。これらを意識して取り入れ、効果的な会議や話し合いを実感してみてください。
今回からは、私がファシリテーションの現場実践や研修指導を通じて得た知見として、見落としがちなポイントおよびそれに対する実践テクニックを紹介していきます。
第1回は『意見と人を切り分ける』です。
ある会議で新人が意見を述べました。それに対してあなたは「経験も浅いくせに、生意気な奴だな」と思ったことありませんか。
あるいは上司の発言に対して「いい意見とは思えないな。でも上司の言うことだから賛成しておくか」と思ったことはありませんか。
もしあれば、それは人と意見の切り分けができていないのです。
いい意見であれば、言ったのが新人だろうと前向きに検討する。
問題があれば、ベテラン社員や上席者だろうと、指摘し議論をしてよい方向に向かわせる。これが人と意見を分けることであり、健全な会議の在り方です。つまり、誰が言ったかよりも何を言ったか、を重視するのです。
参加者誰もがこの考え方を身に着けていたら、建設的な会議ができるでしょう。
意見と人の未分化はあらゆる組織において根深く浸透しています。
また、意識されていないこともあります。会議の終盤、それまで黙っいた上席の人物が「まぁ、いろんな意見はあると思うが、今回はわたしの考えでやってもらえないかな…」と言っただけで、それまでの議論が無意味なものに… 
「あるある、うちのことだ」と頷いた方、「このままではいけない」と思われた方はぜひ出来ることから改善を試みてください。例えば、会議前に会議のルールを周知徹底する、会議の仕方についての研修をする、会議中「誰が言ったか」にこだわる人がいたら注意し合うなど、地道ではありますがやる意義は大変大きいです。
次回は、ファシリテーション実践における見落としがちなポイント第2回として『決め方を決めておく』を紹介します。

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この記事を書いた人

研修講師、国際認定ファシリテーター

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