ファシリテーションで多様性を活かす(15)

水江 泰資(みずえ ひろよし)

 こんにちは!毎週水曜日を担当いたします水江 泰資(みずえひろよし)です。
前回までは、ファシリテーションの5つの重要ポイントとして、ひとつめに『会議や話し合いの目的』、ふたつめに『目標』、みっつめに『プログラム』まで挙げました。
 今回はよっつめとして「参加者」について解説します。
 会議の主催者は「会議は参加者で決まる」という認識を常に持っておく必要があります。
 通達や質疑応答の無い一方通行の情報伝達を目的とした会議であれば、誰でも全員参加で差し支えありません。しかし、それ以外では、参加者の顔ぶれで議事進行が大きく左右されることを意識しておきましょう。
 例えば、問題を解決、対立を解消するといった重要事項が議題の場合、参加者の考えや意見が会議の成果に大きな影響を与えます。
 一般的なビジネスの場面においては、メンバーを選定して会議に臨むことは難しいでしょう。「参加者を選ぶ権限がない」「上司から全員で会議しろと指示された」という人もいらっしゃるでしょう。
 しかし、そういう場合でも、その会議の利害関係者やキーパーソンは誰なのかを事前にチェックしておくことは必要不可欠です。参加メンバーの人柄や背景、その会議への思いを出来る限り確認しておき、メンバーの個性を生かしましょう。
 また、人間同士ですから、メンバー同士で相性が合う合わないがあって当たり前。座席配置を工夫するだけでもスムースな進行ができます。対立している人同士を向かい合わせにしない、派閥や仲良し同士で固まっている場合はバラバラにするなど、メンバー一人ひとりの自律性に基づいた相互作用を最大発揮させましょう。
 もし、あなたが会場に一番乗りして、参加者の座席位置を指定出来るのであれば、ぜひ試してみてください。
 次回は、「参加者」の続編として、参加者のモチベーションを高める工夫について解説します。

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この記事を書いた人

研修講師、国際認定ファシリテーター

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