こんにちは!毎週水曜日を担当する水江 泰資(みずえ ひろよし)です。
本エッセイでは、少人数の打合せや会議運営で役立つファシリテーション・スキルを紹介しています。
先月から、『意見に応える』をテーマに様々なスキルを紹介しています。今回は、「小さな変化に気づく」です。
変化とは、あるものの状態や性質などが他の状態や性質に変わることと辞書にあります。普段はあまり意識しませんが、私たちも日々、ほんの少しでも変化しています。
職場では、特に新人や若手の変化に目を向け、気づきがあれば言葉をかけ、成長や進歩につなげましょう。
その際、前回の「評価しない」で説明したように、上位職の発言はその後のコミュニケーションに想像以上に影響を与えますので、良し悪しに言及しないようにします。
例として、上司が新人から業務報告を受けている場面です。
新人「…先週の業務報告は以上です」
上司「はい。わかりました。では次の人…」
上司が、どうせいつも同じだと思い、聞き流しているとこのようになり、新人はやる気を失ってしまうでしょう。次の対応と比べてみてください。
上司「前回よりも具体的だね。特に〇〇作業について理解が進んでいるね」
これなら新人は「認めてもらえた」と嬉しく思うでしょう。「良い報告だね」とばくぜんと評価されるよりもモチベーションがあがります。
また、不足やミスがあっても、まずは望ましい点を挙げ、上司の話を素直に聴ける状態になってから指摘します。
上司「ところで、△△作業の報告が無いね。それを加える必要があるね」
足りない、ダメだと評価せず改善すべき点を示せば、新人は「次は変えよう」と前向きになり、その変化に上司がまた気づいてくれたら、さらに成長が進むでしょう。
なお、今の皆さんには簡単でも、新人や若手は難しく感じていますから、「出来て当たり前」でも望ましい点として挙げるのもコツです。
次回は「話を促進させるフレーズ」を紹介します。
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