ワークショップをやってみよう(9)

水江 泰資(みずえ ひろよし)

 こんにちは! 毎週水曜日を担当する水江 泰資(みずえ ひろよし)です。
 本エッセイでは、少人数の打合せや会議運営で役立つファシリテーション・スキルを紹介しています。
 ファシリテーションを応用し、「ワークショップ」を社会人教育で活用するために、その主流である「研修」と比較しながら特徴をつかんでいきましょう。
 先月から、プログラムの各パートでの違いを挙げることとし、前回までは、冒頭の「ねらい」で紹介する担当者の「教え方・進め方」の違いを説明しました。
 そして、前回、今号の予告として『プログラム本編の違いを説明します』と掲載しましたが、『講師やファシリテーターの自己紹介の仕方』に変更します。
 4月12日号で、両者に共通するのは「専門知識」「説明能力」「威厳ある態度」と説明しました。今号は、「威厳ある態度」の補足となります。
 自己紹介する際には、受講生の機嫌を取る、おもねるような発言はやめましょう。報酬をいただくプロフェッショナルならもちろん、組織内でも専門職であれば、知識や経験不足を補うつもりで次のような物言いをすればかえって信頼を失います。
 「私はこの研修を担当するのは初めてです。講師経験も不足していますので、プログラム通り進行できないと思いますが、そこは割り引いて聞いてください」
 「私は今とても緊張しています。うまく話せないので、演習の案内とか失敗しちゃうかもしれません。その時は皆さん、助けてくださいね~」
 ただし、会話の流れで以て、全体の雰囲気をよくする投げかけとして使えば効果的な場合があります。次の例をご覧ください。
 「皆さん、緊張しているようですね?」(受講生頷く)
 「実は私もそうです」(受講生驚く)
 「緊張するのは、真剣にこの場に向き合っている証拠です。お互いに今の緊張感を大事にして、この研修を意義あるものにしていきませんか?」
(受講生頷く)
 こう言えば、受講生に共感を示し、余計な緊張を解きほぐし、士気を高められます。
 次回は、先々号の予告通り、プログラム「本編」の違いを説明します。

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この記事を書いた人

研修講師、国際認定ファシリテーター

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