こんにちは! 毎週水曜日を担当する水江 泰資(みずえ ひろよし)です。
本エッセイでは、少人数の打合せや会議運営で役立つファシリテーション・スキルを紹介しています。
今月からはファシリテーションの応用として、新シリーズ「ワークショップをやってみよう」を連載しています。「ワークショップ」を社会人教育で活用するために、その主流である「研修」と比較しながら、特徴をつかんでいきましょう。
前回はプログラムの構成における一般的な違いを挙げました。今回からは各パートに分けて詳細に説明します。
まず、冒頭部分です。ここでは両者とも、ねらいや講師の紹介などが行われますが、内容や意味合いはそれぞれ違いますので今後順次触れていきます。
「ねらい」では、なぜ実施するかという企画側の意図、こうなってほしいという結果を伝えますが、特に違うのが「結果」です。
研修は、外部からの働きかけで得られる結果である「効果」が求められます。ワークショップは、自分が何かをして得られる結果である「成果」が求められます。
研修では、講師の指導により、受講者全員、出来ないことが出来るようになっている、また、同じ行動レベルに達している状態が目標として設定されます。それが研修の「効果」です。そのため、ねらいを伝える際には、「受講後あなたたちは〇〇できるようになっている」という到達イメージを明確に示す必要があります。
新人研修の単元を例に挙げれば、ホウレンソウ(報告・連絡・相談)のねらいは「上司の指示や命令に対して、報告すべき内容を理解できている」「得た情報を上司だけでなく関係部署にすばやく連絡できる」、また、電話のかけ方・受け方のねらいは「電話口に出た人は会社の代表である。信頼されるやり取りができるよう基本の応対を身に付ける」と、期待される効果を伝えます。
一方、ワークショップで求められるのは「成果」です。次回はそれを説明します。
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