「接遇のチカラ」 (58) 「座談十五戒」から学ぶ~テクニックとスキル

松原里美(まつばらさとみ)

こんにちは!第2・4月曜日を担当するコミュニケーション講師の松原です。
これまで徳川夢声氏の著書『話術』にある「座談十五戒」をひとつずつ取り上げ、コミュニケーションのコツを学んできました。
今回は前回に引き続き、全体を振り返ります。
徳川夢声氏は「ハナシは誰にでもできるから難しい」と記しています。確かに「誰にでもできる」ことなのに、今も昔も多くの人が悩みを抱え、難しいと感じています。その悩みの種は千差万別、人の心の数だけあります。だからこそ、コミュニケーションの手法などの講座や本、ネット記事があふれているのでしょう。
コミュニケーションに大切なのは、相手を尊重する姿勢です。それが伝わらなければ、心地よい関係は築けません。じゃあ、どうやったらいいの?に答え、テクニック、つまり技術を教えてくれるのが「座談十五戒」です。
とはいえ、テクニックを活かすには、適切な時に使える力が必要です。例えば、バッティングセンターで同じ球速のボールを打つテクニックを持っていても、「ピッチャーから投げられた球を見て、どんなふうにバットを振るか」を判断する力がなければ、実際の試合では打てません。状況に応じて適切なテクニックを選び使える力、それがスキルです。コミュニケーションにも、それぞれのテクニックを、適切につかうスキルが必要です。このスキルが「接遇」なのです。
人付き合いのスキルは、トライ&エラーで体得していくものです。自分が感じた違和感や、もっとこうしたらいいのかな?という気持ちを大切にしてください。その気持ちを見つめ考え、自分なりの納得解を生み出すヒントとして「座談十五戒」が役立つのではないかと思います。
今も昔も続く悩みは、今も昔も同じヒントが使える。迷ったときにこの十五戒を振り返ってみてくださいね。

※「話術」(新潮文庫) 著者:徳川夢声 新潮社
(1947年に秀水社から出版されたが、2018年に新潮社より復刻)

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この記事を書いた人

研修講師、地域密着ワークショップファシリテーター
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