「営業でつかんだコミュニケーションのツボやコツ!」(25)

 みなさん、こんにちは!スピーチコーチの大嶋友秀です。
 営業の商談をテーマにした19回目です。今回は、誰かとの間に解決できていない問題を抱えている時、その影響を受けないで別件の話を交渉する方法を考えましょう。
 私が派遣会社の営業パーソンのとき、会社方針でサービス料金が値上がり、顧客に了解してもらわないといけませんでした。
 ところが、私は顧客との間に解決できていない問題を抱えており、その中で料金改定交渉をしました。例を見てください。
●事例1(N Gの場合)
営業「今回、料金の改定をご了解いただきたいのですが・・」
顧客「値上げ? その前にA商事の問題はどうするの?」
営業「それは今対応中で・・」
顧客「それが解決しないと交渉はないよ」
 最初はこのようにうまくいきませんでした。では、次の展開を見てください。
●事例2(O Kの場合)
営業「A商事の件は来週に報告できます」
顧客「わかりました」
営業「それで、本日は料金の改定をご了解いただきたいのです」
顧客「値上げ?」
営業「はい、A商事の件がまだ解決しておりませんが、料金改定に踏み切らないといけない状況がありまして・・・」
顧客「どういうことですか?」
 私はA商事の件を最初に了解をもらいました。その上で、別件である値上げの話を持ち出したのです。話を聞いて、顧客はその改定を受け入れてくれました。その成功の要因は、未決の問題と別件の交渉をはっきりと区別できたからです。
 身近な例を考えましょう。あなたは上司に対して決済してほしい案件を抱えています。しかし、別件の苦情処理の報告書を出していません。この状態で決済を求めれば、上司から「まず苦情報告をあげろ!」と言われてしまうでしょう。
 もうお分かりでしょう。二つの案件をはっきりと分ければ、話はできます。私たちはいくつも仕事を抱えているのが普通です。
相手が誰であれ交渉を成功させるには、分けることが重要です。
 では、またお会いしましょう。

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この記事を書いた人

研修講師、ファシリテーター、ビジネス作家

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