こんにちは!毎週水曜日を担当する水江 泰資(みずえ ひろよし)です。
本エッセイでは、少人数の打合せや会議運営で役立つファシリテーション・スキルを紹介しています。
前回まで、オンライン会議では出来る限り資料を事前に配信しておくのをお勧めしました。それにより、参加者は予め資料を読み込み、内容を理解できるので、当日、議論が混乱する可能性が少なくなります。
今回から、会議を楽しくする方法のみっつめとして、「魅力ある資料の作り方」を紹介します。
まず、明確に理解しておきたいのは、会議で扱う資料には大きくふたつあるということです。「事前配信資料」と「投影用プレゼン資料」です。
事前配信資料とは、以前紹介した会議の種類(通達、共有、調整、解決)に従って、議題の目的や背景、目指したい結論などがきちんと文章で示されているものを指します。ある程度時間をかけてしっかり読み込んでもらうのが前提です。また、欠席者がいたとしても、当日は何が議論されたのかという記録の役割を果たします。
投影用プレゼン資料は、会議当日プレゼンテーターの説明を補助する目的で、最小限の文章やキャッチフレーズ、メッセージ性の高い動画などで構成されています。最近では、PowerPointやグーグルslideなどのアプリケーションツールが有名です。しかし、話し手の説明が無いと理解しづらく、これを事前配信しても受け手に主旨が伝わるのは難しいでしょう。
このように、それぞれの目的や用途の違いをしっかりと認識しておいてください。
実際、皆さんの職場の会議ではどちらか一方しか使われていないのではないでしょうか。当日に読み込みが必要な分量の資料が配布されれば時間のムダです。また、当日の投影用スライド原稿が欠席者に配信されれば、受け手には「理解できないものを渡されても…」とコミュニケーションミスの原因を作ることになります。
次回は、事前配布資料の作成ポイントを解説します。
目次