オンラインによるファシリテーション(3)

水江 泰資(みずえ ひろよし)

 こんにちは!毎週水曜日を担当する水江泰資(みずえひろよし)です。
 本エッセイでは、少人数の打合せや会議運営で役立つファシリテーション・スキルを紹介しています。
 今回は、人が集まる意味をテーマに、会議の必要性を解説します。
 健全な組織活動の維持・発展のため、勤務時間内に定期的に情報を共有したり、問題を解決したりする手段として必要なのが会議です。
 前回挙げた通り目的別に種類がありますが、会議を持たない組織は無いでしょう。しかし、必要不可欠であるにもかかわらず「あの会議は有意義だったなぁ」「明日の会議が楽しみだ」といった声はあまり聞かれないのが実情でしょう。辛く苦痛な時間であり、しかも「ムダ。無くても良い」と思われているとすれば、生産性向上の点からも不都合な状態と言えます。
 もちろん原因はあります。典型的な例は、「部下は指示に従っていればよい。会議は私の意志を伝える場だ」と、行き過ぎたリーダーシップが発揮されている場合です。一方的にしゃべり続けるのを聞かされるのはまさに苦痛です。
 ところが、指示を受ける側にも原因があるのです。同僚が報告しているのに、「早く作業に戻りたい。聞く意味があるのか」というメンバーシップの意識の欠如が見られる場合です。
 最近テレワークの導入が進み、自宅や好きな場所で仕事ができるので、「自分のペースを乱されたくない」との思いが強くなると同時に他者への関りの意識低下が労務管理の観点から指摘されています。
 今後、労働力人口の不足から、採用力の乏しい職場では、意見や考えが合わない者同士が一緒に働く、または、少人数で現場を回さなくてはなりませんから、お互いのストレスを軽減させるためにも、コミュニケーションのひとつとして会議が必要になります。
 先の原因に思い当たる節があれば、組織の全員が認識を改め、参加してよかったと思える方が良いですよね。
 次回は会議を楽しくする方法をお伝えします。

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この記事を書いた人

研修講師、国際認定ファシリテーター

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