「接遇のチカラ」(42) 「座談十五戒」から学ぶ~一人で喋るなかれ

松原里美(まつばらさとみ)

こんにちは!第2・4月曜日を担当するコミュニケーション講師の松原です。(今月は変則)
コミュニケーションは相手ありきです。そのために接遇のスキルを活かします。今回から徳川夢声氏の「話術」にある「座談十五戒」から、このコツを学んでいきます。
○第1戒 「一人で喋るなかれ」(P68~69)
こちらが口を挟む間もなく、ずうっと話している人っていますね。何か言おうとしても、そんな隙はない。内容の進展もない。そう思ったら、話題が違うことに飛んでいたりする。そんな人に対して徳川夢声氏は「お人形か木像でも前においておくがよろしい」と記
しています。
喋り続ける人は、相手が苦痛な時間を過ごしていると感じていません。自分同様、相手も快いと思っています。夢声氏が言う「生きてる(原文ママ)人間なら、自分も何か喋りたいのは当然」に気がついていないのです。
会話を交わす素晴らしさが、ここでは「愉快な話題のキャッチ・ボールの面白さは、たとえようもありますまい。」と表されています。
お互いの話を受け止め、言葉を交わし合う。すると、会話は盛り上がります。そんな相手となら「またお話したいな」「この人とは良い関係が築けそう」との気持ちが芽生えます。人形や木像ではなく、人として尊重されている、と伝わるからです。
相手とのキャッチ・ボールのために、話すのをちょっと抑えて耳を傾ける。これが双方向のコミュニケーションへの第一歩です。
次回は「黙り石となるなかれ」で、抑えすぎもいけないというお話です。

※「話術」(新潮文庫)徳川夢声著
(1947年に秀水社から出版され、2018年に新潮社より復刻)

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この記事を書いた人

研修講師、地域密着ワークショップファシリテーター
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