こんにちは! 毎週水曜日を担当する水江 泰資(みずえ ひろよし)です。本エッセイでは、少人数の打合せや会議運営で役立つファシリテーション・スキルを紹介しています。
司会者だけではなく会議の参加者全員が身に付けておけば、より効果的な結論を導き出せます。正しく理解していただくために、まずは、基礎となる考え方(思考)をお伝えしてきました。序盤は「ロジカルシンキング(logical thinking 論理思考)」、そして「システムシンキング(system thinkingシステム思考)」「クリティカルシンキング(critical thinking 批判思考)」と続きました。
今回からは、ポジティブ思考(positive thinking)を、その活用事例を交えながら解説します。
会議では、司会者はもちろん参加者全員がポジティブ思考を活用すれば、職場の問題解決に取り組み、良き成果につなげられます。
例えば、「あの人はポジティブだ」といえば、物事に対して肯定的、積極的に捉えているという意味になります。では、会議に臨むにあたってのポジティブ思考とは何でしょうか。
それは、さまざまな議題を扱う際に初見で簡単に鵜呑みにしたり、性急な判断や余計な解釈をしたりせず、まずは事実として受け止める考え方を指します。
そして、議題に対して、皆の知恵を出し合って、より高品質でスピーディに解決していこうという思考をめぐらせることが大切です。
なお、ポジティブは、「ポジ」という写真の用語としてもよく使われていました。肉眼で見た被写体と同じ明暗で映っている画像を指し、解釈を加えず、見たものをそのまま受け止める意味になります。和訳は陽画であり、その反対語であるネガ(ネガティブ)を陰画といい、原語の意味合いをうまくとらえているように筆者は感じます。
次回はポジティブの対語であるネガティブ、および、ポジティブと混同されがちな言葉であるプラス思考(およびマイナス思考)との関連について解説します。
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