「接遇のチカラ」(32)  相手のために伝える心~思っていても伝わらない

松原里美(まつばらさとみ)

こんにちは!第2・4月曜日を担当するコミュニケーション講師の
松原です。
円滑なコミュニケーションのためには自分の姿を振り返って見つめることも大切です。自分の伝え方はどのようなものなのか。そして、相手にどのように映っているか。立ち止まって考えてみる時が必要です。
私の友人のブログに、はっとさせられたエピソードがありました。
友人は、子どもの頃、「字は丁寧に書きなさい」と教えられていたそうです。「美しく」や「上手に」ではなく「丁寧に」です。それを大人になった今思い返し、こんな風に綴っています。
「丁寧に書こうとしてくれた気持ちは、文字から伝わる。それが、お世辞にも上手な字というわけではなくても。何か伝わる。話し方もそうだと思う。」「話すときに聞く相手の事をもっと思いたい」
前回のメルマガで「自分の伝えたい思いを大切にするために、相手のペースを大切にする。それも接遇のスキルであり、マインドである」と書きました。
接遇はスキルですが、「相手を大切に思う」というマインドが芯となっています。だからこそ、「私はあなたを尊重しています」という意思の伝達が要です。
私自身は悪筆なので手書きを避けがちです。とはいえ、お礼状や御祝儀袋にはペンをとります。パソコンで出力したものより手書きの方が相手に思いが伝わると感じるからです。
これと同じように、仮に自分の「話し方」に自信が持てなかったとしても、諦めてしまうのは残念です。他人から、例えば「早口で聴き取りづらい」「滑舌が悪い」などと指摘されたら、話すの
が嫌いなってしまうこともあるでしょう。ですが、「下手でも丁寧に」と心がければ、きっと何かが伝わるはず。自分を変えるのは自分なのです。
自分の一つ一つの行動やしぐさを丁寧にする。そのためにも、忙しい中であっても気を止める瞬間を作ってください。それが「目の前の相手を思う」表現につながるのです。
年末の慌ただしさを乗り越えゆっくりできる時間が持てたら、自分の伝え方を振り返るひとときを、ぜひ持ってみてください。

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この記事を書いた人

研修講師、地域密着ワークショップファシリテーター
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