毎月第1,3金曜日は、歴史上有名な武士や武芸者が詠んだ短歌「武道歌」を紹介しています。古くから伝わる言葉の中には、少し視点を変えて読めば、現代に生きる私たちにも役立つものがあります。
今月も、柳生家の家臣、庄田喜左衛門(江戸時代前期 生没年不明)の歌を取り上げます。
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兵法に迷う心の折々は 聞きし習いの跡をたづねよ
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迷いがでたら基本に戻れ、という歌です。この教えは、日々、様々な情報が飛び交う現代では特に大事なものでしょう。マスコミやネット記事は「こうすれば上手くいく」「こんないい方法がある」と目新しい情報を発信し続け、人の関心を引こうとします。その中で右往左往していては、確かなものは何もつかめません。基本に戻るためには、戻れる基本を持っている必要があります。そのことを改めて考えさせられます。
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