■ワンポイント・エッセイ
研修を原点から見直す~企業の問題(1) 占部正尚
ある有名製薬会社の新入社員研修において、講師から自身の
障害や過去のいじめ体験について皆の前で話すよう強要された
受講者が、精神疾患を発症し、自殺するという傷ましい事件が
報道されました。
このような事態を引き起こす著しく限度を超えた講義をした
講師、その研修プログラムを開発した研修会社、そして何年に
もわたり問題ある内容の研修を社員に受け続けさせた企業、い
ずれもが重く責任を受け止めるべきであると考えます。
雙志館としては、この事件を他山の石とせず、研修業界の是
正に向けた動きを啓発するためにも、問題の原因や改善の方向
性を「企業の側」「講師および研修会社の側」の両面からまと
めます。
まず企業の側が、確たる理念や方針を持っていたのかを問う
べきです。ホームページには「人々の幸せ」「信頼と期待」と
いった文言が見られますが、それが社員の教育・指導にまで十
分に活かされなかったことが悔やまれます。
次回は、理念や方針を教育・指導にどう活かし、そしてどの
ような目的で研修を行うべきかについて解説します。
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