スピーチ・プレゼンテーションのポイント(4)

柴田登子(しばたたかこ)

こんにちは!第1、3月曜日を担当いたしますキャリアコンサルタントの柴田登子です。

 スピーチ・プレゼンテーションを行う前に抑えておきたいポイント、今回は「誰に?」をテーマにお届けします。

 皆さんは人前で話すとき、聞き手がどのような人たちかを意識していますか?与えられた場で自分が言いたいことを伝えるのに一生懸命になって、つい「誰に向かって話すか」を忘れてしまってはいないでしょうか。その場にいる全員が興味のある話題を提供するのは難しいです。だからこそ、1人でも多くの人が理解し「なるほど!」納得できるよう工夫しましょう。そのためには、同じテーマを伝えるときでも、聴く人にあわせて話す内容や表現を変えることが大切です。その場にいる人の年齢、経験、職業、興味などからどううればよりどうすればわかりやすく、共感してもらえるかを考えるのです。

 例えば、後輩の送別会でスピーチを頼まれたとします。その人の実績をたたえようと思って、自分のごく個人的な経験を引き合いに出しても、似たような経験のない人にはピンときません。逆に、流行しているからみんなが知っているだろう、と後輩を「鬼滅の刃」のキャラクターにたとえても、観たことのない人には何のことだかわかりません。相手が何をどこまで知っているか見極めて話しましょう。

 また、単にあなた自身が言いたいと思っていることを伝えるだけでは共感は得られません。情報を提供するのであれば、聞き手の多くが今どのようなことに興味を持っているかを考えて、それに合ったポイントを示しましょう。職場の会議で「業務改善の提案」についてのプレゼンテーションをするとき、経営層や管理職なら「コストダウン」や「売上増加」、若年層なら「労働時間の削減」や「スキルアップ」など、具体的にメリットと感じることを相手にあわせて話しましょう。全員に同じメッセージを投げかけるよりももっと興味を持ってもらえます。大切なのは、目の前の人に関心を持ってもらうことです。「誰に向かって話すか」を常に意識しましょう。

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この記事を書いた人

国家資格キャリアコンサルタント、研修講師

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