ファシリテーションで多様性を活かす(49)

水江 泰資(みずえ ひろよし)

こんにちは! 
毎週水曜日を担当します水江 泰資(みずえ ひろよし)です。
本エッセイでは、少人数の打合せや会議運営で役立つファシリテーション・スキルを紹介しています。今月は、『オンライン会議での議論の進め方』について、主に司会役に役立つ「意見をまとめる方法」をテーマにしています。今回は、前回の「まとめた意見を実践にうつす」について、さらに詳しく解説します。
本稿では、ファシリテーションを会議の運営スキルと紹介していますが、それは人々を積極的に会議に関わらせ、実践行動につなげていくための支援スキルとも言えます。そのために、司会者は会議の後のことまでを考えて進行しなければなりません。

会議でありがちな失敗は「総論賛成・各論反対」、つまりある議題について参加者が趣旨には賛成するけれども、具体的な業務を担うのは自分ではないという認識で終わってしまう場合です。
こうならないために、行動計画が決まったら必ず「誰が」「いつまでに」「どのように」行うのかも決めましょう。

しかし、誰もやりたがらない業務もあるでしょう。一方的に役割を振れば、当人のやる気が上がらず、手抜きやミスが発生し業務に支障が出やすくなります。そこで、担当になる人のモチベーションが上がるように、言葉をかけながら割り振りましょう。

例として、「誰がやるか」を決めるときに効果的な言葉かけを示します。
1)「まず〇〇、次には△△して…」と仕事の手順を丁寧に説明する。
2)「何かあれば、すぐに助けますよ」と安心させる。
3)「あなただからできる」と自尊心を高める。
4)「あなたの能力向上に必要だから」と意義を説く。
司会者が参加者の発言だけでなくやる気も引き出せれば、業務が確実に実行され、職場が活性化することでしょう。
次回からは新テーマ「ファシリテーション・スキルの基礎となるロジカル思考」を連載します。

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この記事を書いた人

研修講師、国際認定ファシリテーター

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