毎週第1,3金曜日は、歴史上有名な武士や武芸者が詠んだ短歌「武道歌」を紹介しています。古くから伝わる言葉の中には、少し視点を変えて読めば、現代に生きる私たちにも役立つものがあります。
今月から、柳生家の家臣、庄田喜左衛門(江戸時代前期 生没年不明)の歌を取り上げます。
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武士の我が道ながら兵法を すきやきらひといふもおろかさ
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兵法とは、武士にとっての本業です。武士は兵法のプロであり、そこに一生をかけることが「我が道」であるはずです。それなのに「好きだ、嫌いだ」と言い立てるのは愚かであると述べています。好き嫌いに左右されるようでは「我が道」になり切っていないのです。
「好きこそものの上手なれ」という諺があります。確かに、仕事でも勉強でも、嫌だと思いながらでは積極的に取り組めませんからなかなか上達しません。しかし、自分の好きなことばかりしていては、能力や技術に偏りが出て、高いレベルには達しません。
好き嫌いにかかわらず日々の課題や仕事を淡々と行う。その積み重ねが「我が道」を作ります。
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