労働という切り口で考える(4)占部正尚

■ワンポイント・エッセイ
  労働という切り口で考える(4) 肉体労働を支える“体”
                                     占部 正尚

 今回は心技体の“体”を切り口として、“肉体労働”としての
講師の仕事について考えてみます。
 かつてバブル経済と呼ばれた時代に「24時間、戦えますか?」
というCMのフレーズが流行りました。当時の企業戦士たちは、
徹夜をものともせず働くことが美徳とされたのです。
 現在、上司が部下に対して「24時間、働け」と指示すれば、ブ
ラック企業でのパワハラであるとの判定が当局から下されるでしょ
う。
 ただし、選ばれ続ける講師になりたい人には、あえて「終日、立
って講義するだけの体力がありますか?」と問いたいのです。もち
ろん持病や障害のある方は例外ですが、立って講師としての気迫を
表現することで、受講生の真剣さを引き出すことができます。
 そのためには、それなりの体力が必要です。増強するためには、
基本として運動をすることが一番ですが、雙志館では空手を勧めて
います。まずは姿勢が良くなり、発声も大きく鋭くなります。
 そして何よりも、大勢に向かって気概を発する訓練にもなり、講師
としての存在感や説得力を高めることにつながります。
 どのような分野の講師であれ、知識や情報を提供すれば良いという
ものではありません。十分な体力を培い、余裕と力強さを体現でき
講師こそが、選ばれ続ける確率が高まるのです。

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