ファシリテーションで多様性を活かす(46)

水江 泰資(みずえ ひろよし)

こんにちは! 
毎週水曜日を担当します水江 泰資(みずえ ひろよし)です。
本エッセイでは、少人数の打合せや会議運営で役立つファシリテーション・スキルを紹介しています。
前月に引き続き、『オンライン会議での議論の進め方』について、主に司会役に必要な考え方やスキルを紹介しています。
前々回から、「意見をまとめる方法」をテーマに、段階に解説を始めました。
前回は、「まとめる」という行為の意味を説明し、考え方として「分類」と「類型」を簡単に紹介しました。
今回は「分類」について具体的に説明します。
あらかじめ定めておいたいくつかの指標に従い、意見を仕分けしていくのが「分類」です。
指標の組合せを「フレームワーク(枠組み)」と呼び、ビジネス分野だけでも数百はあります。
司会進行を担当する方は、ポピュラーなものを学び、議題に応じて自在に使い分けると、効率的に話がまとまります。
一例として、ある会社の企画部で「現在抱えている業務の優先度を決める」という議題で会議を行ったとしましょう。
Aさんは「過去の企画提案書の再考」、Bさんは「来年のセール期間に向けた広報ツールの作成」、Cさんは「顧客のニーズ調査の実施」など、部員それぞれが「まずこれをすべきだ」という意見を出してきました。
そんなときに使えるフレームが「緊急度」「重要度」の2つの指標の組み合わせです。
これを組み合わせて「緊急かつ重要」など、4つに意見を分類すれば、業務の優先度が一目瞭然です。
「リーダーシップの発揮に必要な条件」という議題であれば、「業務の遂行(仕事ができる)」「人間関係の維持(人を活かす)」という指標がよく用いられます。先の「業務の優先度」と同じく、2つの指標を組み合わせれば、4つの分類が可能です。
なお、ある指標に全く意見が入らない場合があります。先の事例で「緊急でも重要でもない」に意見が無いとすれば、何でもかんでも重要、緊急とし、優先順位をしっかりつけられていない可能性があります。その際は、その業務が滞ることで生じる周囲への影響度を捉え直せば、分類の精度を高められます。
次回は「類型」について解説します。

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この記事を書いた人

研修講師、国際認定ファシリテーター

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