労働という切り口で考える(14)占部正尚

■ワンポイント・エッセイ
労働という切り口で考える(14)感情労働を支える“心”
                                  占部 正尚

 講師は受講生や研修担当者等の行動や思考を『俯瞰』するこ
とが、自分自身の感情を平静に保ちながら、身を守ることにつ
ながります。
 では、どうすれば『俯瞰』をしやすくなるのでしょうか。そ
れはペップトーク(自分や相手の発想をポジティブにし、やる
気を引き出す言葉がけ)というモチベーションアップ手法でも
重視される『発想変換』を習慣づけることです。
 多くの物事は、事実は一つですが、解釈は複数存在します。
例えば、雨が降っているという事実に対し、「濡れるから嫌だ
な」と考えるか、「作物が育つ恵みの雨だ」と発想するかで、
気分が悪くもなれば良くもなります。
 もし、受講生にやる気が感じられない場合、「やる気が無い
のではなく、会社がやる気になる“素”を与えられていないの
だ」と解釈できれば、「その“素”が分かれば、会社側と話す
ことで研修やコンサルティングの仕事を増やすチャンスだ」と
いう発想に至ります。
 そうなると、受講生は講師の感情を乱す“厄介者”ではなく、
逆に“ありがたい存在”となります。
 選ばれ続ける講師は、「受講生は心の底で何を求めているの
か」という本質を常に発想し、講義中や休憩時間にうまく質問
しながら受講生の心をつかんでいくのです。
 ぜひ、簡単な場面で結構ですので、『発想変換』を自ら課し
てトレーニングしてください。


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