■ワンポイント・エッセイ
プロ意識を体現する(6)謙虚以上、傲慢未満(その2)
占部 正尚
講師が謙虚な姿勢を保ちながら、なおかつ受講生の前で堂々と
振る舞うためには何が必要でしょうか。
その答えの一つに「自己肯定感」があります。本ブログでも何
度か書きましたが、せっかくスキルアップしたのに「まだまだ、
こんなのじゃダメだ」という受講生は、その後の成長はあまり望
めない傾向にあります。
逆に、「ここまでは出来た。これからは〇〇に留意しながら頑
張ろう」と意識できる受講生、すなわち自分の現状を肯定しなが
ら次のステップへ臨む人は成長が見込まれます。
これは講師にも同じことが言えます。自分の現状を意識的に否
定するからこそ担当者や受講生の前で「まだまだ若輩者ですが」
「期待に沿えるかどうか不安ですが」などと、およそ選ばれ続け
る講師にはなれないであろう発言をしてしまうのです。
自己を肯定する習慣が身についている講師は、自分の現状すな
わち客観的なレベルが見えているので、人前で偉そうに振る舞う
ことはありません。
さらには、次に何を成すべきかが分かっているため、言動の端
々に成長意欲と自信が見てとれます。
講師にとっての謙虚な姿勢とは、単に腰を低くしたり、他人の
話をよく聞いたりすることだけではなく、「自分が講師としてい
かにあるべきか」を真剣かつ前向きに考えることで培われるので
す。
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