ファシリテーションで多様性を活かす(42)

水江 泰資(みずえ ひろよし)

こんにちは! 
毎週水曜日を担当します水江 泰資(みずえ ひろよし)です。
本エッセイでは、少人数の打合せや会議運営で役立つファシリテーション・スキルを紹介しています。
先月に引き続き、『オンライン会議での議論の進め方』について、主に司会役に必要な「話のまとめ方」や「参加者の満足度を高める方法」を紹介しています。

前回までは、議論する中での意見の引き出し方についていくつかの方法をご紹介しました。
今回は、実りある議論にたくさんの意見が必要な理由を説明します。

議題の提案者は、時間をかけずに「さっさと決めたい」「あれこれ言わずに賛成してほしい」という気持ちかもしれません。

しかし、早々と結論に至る場合には、いくつかの不都合が生じている可能性が高いのです。
大きく3つあり、感情の不満、内容の不備、組織の問題です。

感情の不満は、「意見を聞いてもらえない」「勝手に決められた」など、会議の進め方に対して参加者の納得が得られていないために生じます。人によっては「私はこの会議には必要ないのだ」と、自分の自尊心を傷つけかねません。

内容の不備は、議題に関する意見が出尽くさず、大事な情報の抜け漏れを見落としてしまうために生じます。後々になって発覚し、議論をやり直す、さらには、外部の取引先にまで迷惑をかけるという事態になりかねません。

組織の問題とは、参加者の個性(多様性)が生かされず、集まる意義が問われることです。様々な意見を交わさず一部の人だけで物事を決めてしまう、そのような頭数だけを揃え形骸化した会議が続けば、多くの人のやる気を奪っていくに違いありません。

次回は、たくさん出てきた意見のまとめ方について解説します。

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この記事を書いた人

研修講師、国際認定ファシリテーター

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