■ワンポイント・エッセイ
選ばれ続けるための条件(3) 悪口を言わない その2
占部 正尚
近年はインターネットが普及し、講師もSNSを利用して自身
のPRをしたり、社会的な問題について見解を述べたりするケー
スが増えています。
そこで気になるのは、見解と悪口をはき違えて、知らないうち
に自身の品格を貶めている講師が目立つことです。
一般的に、利権に絡む政治家、安定していると思われがちな公
務員・教員、不祥事を起こした芸能人、大きく報道された事件の
犯人などはSNSで攻撃・悪口の対象となりやすいと言われます。
この悪口が平然と大勢に流される風潮自体が困ったものですが、
もっと困ったことに、“教育者”である講師が、尻馬に乗って悪
口を書き込んでいるケースをよく目にします。
「私は品格の低い講師ですよ!」と公言している状況に気づか
ないのでしょうか?
対象者のダメな点を指摘するだけなら誰でもできますし、これ
は悪口と同然であり、講師がすべきことではありません。
見解を述べたいのであれば、「本当にダメなのか、もっと掘り
下げたらどうなるか」と考察し、もしダメと分かれば、その原因
を究明し、自分なりの解決の方向性や具体策を、責任をもって記
載すべきです。
そうして初めて「この講師は、他とは違う」という印象を持た
れ、その積み重ねが品格の醸成につながっていきます。
選ばれ続ける講師は、常に自身の立場、考え方、発言に緊張感
と責任感を持って行動しているのです。
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