現代に活かす武道歌(8)

雙志館館長 大嶋利佳(おおしまりか)

4月16日分

 毎週第1,3金曜日は、歴史上有名な武士や武芸者が詠んだ短歌「武道歌」を紹介しています。古くから伝わる言葉の中には、少し視点を変えて読めば、現代に生きる私たちにも役立つものがあります。
 今月は、上泉信綱(1508?~1577?)の歌を取り上げます。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
いつも敵を見下したる心持よし
引きあげて嶺に庵をむすべかし 谷へは月の遅く出るに
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
 ここで用いられた「見下し」は、軽蔑するという意味ではなく高い視点から見るとの意味です。山の嶺に暮らした方がよい、谷底にいては月が見えるのが遅くなる、というこの歌は、ものの見方、考え方を高めることの大切さを教えてくれます。

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!

この記事を書いた人

講師道錬成道場 雙志館 館長

→プロフィールはこちら

目次