現代に活かす武道歌(4)

雙志館館長 大嶋利佳(おおしまりか)

 毎週第1,3金曜日は、歴史上有名な武士や武芸者が詠んだ短歌「武道歌」を紹介しています。古くから伝わる言葉の中には、少し視点を変えて読めば、現代に生きる私たちにも役立つものがあります。
 今月も塚原卜伝(1490~1571)の歌を取り上げます。
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武士は軍(いくさ)の事を常々に 思はざりせば不覚あるべし
戦いのことをいつも思っていなければ、失敗するに違いない
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 常に「いざという時どうするか」を心に留めておかなければならない、と戒める歌です。現代の私たちには軍(いくさ)はありませんが、仕事や試験、試合など自分の実力を試される場がいろいろあります。そんなときに結果を分けるのは、常日頃の心構え、心がけでしょう。「その時だけ頑張ればいい、普段はどうでもいい」と思っていては、決してよい結果にはなりません。
 また、地震などの災害への備えも常々に思っておきたいことのひとつです。なにごとにも油断なく過ごしましょう。
参考『武道歌撰集』(今村嘉雄 1989年)

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この記事を書いた人

講師道錬成道場 雙志館 館長

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