現代に活かす武道歌(2)

雙志館館長 大嶋利佳(おおしまりか)

 毎週第1,3金曜日は、歴史上有名な武士や武芸者が詠んだ短歌「武道歌」を紹介しています。古くから伝わる言葉の中には、少し視点を変えて読めば、現代に生きる私たちにも役立つものがあります。
 今回は、前回に続き塚原卜伝(1490~1571)の歌を取り上げます。
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切るとても新身の太刀を帯(は)く人は かならず不覚ありとしるべし
(鍛えたばかりの新しい太刀を使う人には、必ずミスがあるものだ)
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使い慣れていない、充分に使い込まれていない道具ではうまくはいかないと述べています。道具に限らず、知識や技術も同様でしょう。新しいものを買ったり知ったりしても、それだけで満足してしまっては何事もうまくいきません。自分の身に慣らし、使いこなせるようになるまでには、それなりの時間がかかります。常に新製品が出回り、新情報が飛び交う世の中では、なおさら新しさに頼り過ぎない心がけが必要です。

参考『武道歌撰集』(今村嘉雄 1989年)

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この記事を書いた人

講師道錬成道場 雙志館 館長

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