ファシリテーションで多様性を活かす(24)~オンライン会議で生じている4つの違和感

水江 泰資(みずえ ひろよし)

 こんにちは!毎週水曜日を担当します水江 泰資(みずえ ひろよし)です。
 本エッセイでは、少人数の打合せや会議運営で役立つファシリテーション・スキルを紹介しています。
 今月からオンラインでの会議を取り上げ、前回は『在宅勤務・テレワークで生じている心理的な問題』について述べました。
 問題とは「相手は他の仕事をしているのかも…、サボっているのかも…」という不信感、「相手から自分はサボっていると思われているのでは…」という不安感などです。そしてこれらは上司・部下、先輩・後輩という立場や階層に関係なく生じているのです。
 では、なぜこのようなことが起こるのでしょうか。
 その原因として私は、長年親しんだ対面でのやり取りをオンラインでも行おうとして生じている“違和感”の存在があると考えています。それらを4つ挙げてみます。
 ひとつめは、物理的に傍の人を感じる“気配”です。相手が持つ暖かい、やさしそうという印象は、オンラインではリアルほどには感じ取れないのです。
 ふたつめは、“動き”です。表情や仕草がオンラインでは読み取れない場合があります。パソコンのモニターの解像度が低かったり、顔の表情や身振り手振りが乏しい場合、お地蔵さんを相手に話をするような感覚になります。
 みっつめは、“余韻”です。対面では会議後「久しぶりですね」「ちょっといいですか」といった雑談が見られます。しかし、オンラインでは主宰が回線を切ると同時に全ての会話が即座に終わります。
 よっつめは、“ノリ”です。対面では気の利いた意見が出た時、「いいね!」「やろう!」という現場の一体感が生まれる瞬間があります。エネルギーがひとつに集中する祭りのような感覚です。これはオンラインではつかみにくいのです。
 これらの4つの不足が、オンラインで会議や打合せを進行するうえでネガティブな影響を与えています。
 実際、多くの組織でコロナのために急激な対応を取らざるを得なかったことで、充分な検討もされないままオンライン化が進んでおり、放置すればうつ病などメンタルヘルス不全を引き起こす可能性もあります。
 次回は、そのような事態にならないための予防策、および、陥ったときの対処方法について考えていきましょう。

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この記事を書いた人

研修講師、国際認定ファシリテーター

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